「人の家では死ねん」
叔父の咽頭癌と向き合うホメオパスのサポート手記5 叔父のこうきさんは75歳。 高知の村で一人暮らしをしています。 2019年6月に咽頭癌と診断され、8月に手術を受けました。 姪の私が仙台からサポートをしています。 「人の家では死ねん」 叔父のこうきさんは生まれ育った実家の近くの借家に住んでいました。 元気な時には、「ずっとそこで暮らしたい。」と言っていました。 先月、癌が見つかり、医師から手術を勧められ、生きるために手術を決心しました。 頭の片隅では「死」を覚悟しているようです。 こうきさんが言いました。 「人の家では死ねん」 私は胸が詰まり、返す言葉を頭の中で探していました。 「引越しすることにして、家も決めた。」 『癌と診断されてから2週間しか経ってないのに、すごい決断と行動力。それにしても、人の家じゃない所ってどこよ?』 と思いましたが、引越し先は村営住宅。 こうきさんのなかでは、家の持ち主が個人か村なのかでは、大差があるようです。 借家で息をひきとると、大家さんに負担がかかる。 だから、長年の住み家を出ると決めたようです。 死について話し合う これまでも、亡くなった後はどうして欲しいかを私にだけは語ってくれていました。 こうきさんが亡くなる日はずっと先のこととして捉えていましたが、この話を聞いて、私もこうきさんの「死」を意識し始めました。 意識できていたので、死について話し合うことができてよかったです。 独身のこうきさんのお葬式はどうしたいのかお墓はどうしたいのか具体的に望みを聞きました。 『どのように生きて、最期をどうむかえたいか、最期にどうしてほしいか』 意思疎通ができるうちに、自分の言葉で、自分が望む最期を叶えてくれる人に伝えることが大切だと私は考えているからです。 もしかしたら、多くの人達は「死」の話題を避け、見て見ないふりをして「死」をタブー視しているかもしれません。 その人らしく生きるサポートができるよう、私は難治性の病気のクライアントさんに死生観をお伺いしています。 ホメオパスは人々が人生を全うするためのサポートができるやりがいのある職業です。 75歳のこうきさんのこれからの目標は、80歳まで生きることだそうです。 「大丈夫だよ。私もサポートするからね。」
