「抗がん剤治療はうけん!」が受け入れられた日
叔父の咽頭癌と向き合うホメオパスのサポート手記12 叔父のこうきさんは75歳。 高知の村で一人暮らしをしています。 2019年6月に咽頭癌と診断され、8月に手術を受けました。 姪の私が仙台からサポートをしています。 抗がん剤での治療について 咽頭癌の全摘術したこうきさんは主治医がびっくりするほどの回復力をみせていましたが自宅生活を4日目で再入院中となりました。 こうきさんが辛い思いをしているのに不謹慎かもしれませんが、「体調を崩し、再入院してくれてよかった。」と、思っています。 理由は、『抗がん剤治療を受けない』ことを、病院側が受け入れざるを得なくなるからです。 どういうことでしょう? 手術は賛成ましたが、抗がん剤治療は、受けて欲しくなかったからです。 「手術を受けたい」というこうきさんの意思を尊重して、手術に賛成しました。 最初は、手術にも懐疑的でしたが、今は手術をして本当に良かったと思っています。 (このことは、別の機会にお話しするつもりです) 抗がん剤は、・癌を治す、効果は無いし・体力は、衰弱するし・副作用があり、体に被害が大きすぎる があるので、積極的に賛成はできません。 こうきさん自身も、手術前に治療リスクの説明を主治医から聞かされ「抗がん剤治療と放射線治療は、うけん!」と決めていました。 主治医は、こうきさんの意思を受け入れてくれて 「体力が落ちていることと、高齢(75歳)を考慮して、抗がん剤治療と放射線治療の対象外でよいです。」 このように手術前には、本人と主治医と家族である私の意見が一致していました。 ところが、手術後に主治医の治療方針が変わりました。 治療方針の変更 手術の3週間後、退院前に主治医から電話がありました。 主治医「手術の経過が予測をはるかに上回る回復力でした。」 主治医「手術前は、体力面を考慮して抗がん剤と放射線治療の対象外になると考えていました。手術後の回復が良いので、抗がん剤治療と放射線治療ををお勧めします。 私「どうしてですか?」 主治医「見える癌は、全部切除できました。しかし、見えない癌が残っている可能性があります。見えない癌への治療には、放射線と抗がん剤が必要です。」 主治医「治療を受けるには、条件が必要です。」 私「条件?」 主治医「条件は、退院後自宅で1-2週間を元気に過ごすことです。」 私「それは、どういう意味ですか?」 主治医「自宅で生活できる体力がないと、抗がん剤治療には耐えられないからです。抗がん剤治療を受けて、家に帰れない人を増やしてもダメですからね。」 私「抗がん剤治療を受けると、家に帰れなくなるんですか?」 主治医「体力がないと、そうなります」 私(・・・) 主治医「今、再発の可能性の話をするのは、ご本人にとってショックも大きいと思われるので一度、退院していただいいて、再受診の診察時に、ご説明する予定です。」 (少し猶予があるな。与えられた時間を活かしていこう!) 私「わかりました。」 【私の解釈】医師は、抗がん剤治療が患者さんを衰弱させると知っている。 治療のガイドライン(医学界の掟のようなもの)以外の治療計画を立てることは、公立の病院ではご法度です だから、「抗がん剤治療は受けさせたくない」と、この時点で私が言ってもなんの効力はないし、逆にマイナスに働くと考えました。 しかし、最近では、患者の意思が治療計画に反映されるようにもなってきました。 しかし、今の日本では、患者の気持ちが最優先される治療を受けるためには工夫も必要だと、感じています。 医療者と話合いをする時には、間合いのとり方を常に意識しています。 主治医との電話後、こうきさんに手紙を書きました。 抗がん剤治療を受けて欲しくないと思っていること、 最終的にはこうきさんの選択(抗がん剤治療を受けても受けなくても)を受け入れて応援する。 と伝えました。 このあとのことは、私の意思でどうこうできるものではないと思っているので、 私の思いは、天に放つことにしましあ。 抗がん剤治療は受けん!が受け入れられた日 退院後のこうきさんは、自分の体を労わることができなかったこともあり、炎症が起こり、4日後に再入院になりました。 これは、主治医が提示していた「抗がん剤治療を受ける条件」を満たさない状況となりました。 だから「再入院してよかった。」と、思ったのです。 主治医は、形式だけでしょうがこうきさんに抗がん剤治療と放射線治療を勧めました。 こうきさんは「うけん!」とはっきり、意思表示をしたそうです。