こうきさんの再入院

叔父の咽頭癌と向き合うホメオパスのサポート手記11

叔父のこうきさんは75歳。  

高知の村で一人暮らしをしています。  

2019年6月に咽頭癌と診断され、8月に手術を受けました。  

姪の私が仙台からサポートをしています。

こうきさんの再入院

9月初めに自宅退院したのもつかの間、4日後に再入院となりました。

血液検査で体の中に「炎症」が見つかったからです。


訪問看護師さんからの第一報を聞いた時、2つの相反する気持ちが湧き上がりました。
 
「しょうがないよね。」と「良かったね。」です。


今日は、「しょうがないよね。」についてお話します。

こうきさんが退院する時、

「退院後1週間は、家族がサポートしてあげて欲しい」

と、主治医から提案されていましたが、親戚は誰も付添えませんでした。

離れている私ができることはなんだろうと考え、
消化の良いものや栄養のある食べ物を買い集め宅急便で送りました。

訪問看護師さんに相談の電話をかけて、
私が提案するこうきさんのサポートを伝えつつ

それらが実現できるかどうかを、細々と打合せしました。

訪問看護師さんは、さすが在宅のプロです。
きめ細かい看護ケアをしてくれることになりました。

しかし、、、

主人公であるこうきさんの「心」と「行動」は私達の思いと完全に一致していなかったようです。

私としては、一命を取り留めて退院できたから「自分の体を労わる」ようにして欲しかったのです。
 
「病後に自分の体を労わる」ことは、私にとっては当たり前のことだったからです。

こうきさんはこれまで、一人で強く生きてきたので余り体を労るという認識がありませんでした。


退院する時点から弱った体を奮い立たせていました。

病院から自宅までの移動は、一人で電車とバスを乗り継いで2時間かかります。

健康な時ならなんてことない道のりでも、大手術後の体には結構な負担になったと思います。

私は1回きりのことだから、タクシーを使って欲しかったのです。

タクシー利用は、こうきさんの想定には入っていなかったようです。

 

帰宅してからも、ゆっくりと休んで欲しかったのですが

こうきさんは帰宅した足で仕事に出かけてしまいました。

行先は、「村議会」

人口が3,000人の小さな村の議会。

病み上がりのこうきさんが退院後の数回分を欠席しても誰もとがめません。


外出している時間帯には、
呼吸が苦しくならないようにするための、痰の吸引器が搬入される予定でした。

自力でうまく痰が出せないこうきさんには、痰の吸引器が大事な助っ人になるはずでした。
 
出せない痰が肺に入ってしまうと、肺炎が起こりやすくなってしまうからです。
 

病院からの帰宅時間に合わせて訪問してくれた設置担当者さんは、こうきさんが留守でびっくりしたそうです。

 

議会では、閉会時間までしっかり出席したそうです。

家に帰った時には、病み上がりの体は疲れ切ってしまっていて

水を飲む気力もなく、
水を飲まないから薬も飲まず
さらに食事も食べないで
そのまま倒れ込むように、床にごろ寝をしたようです。

 

疲労は免疫を下げるし

痰は気管支にへばりついたままだし

水分不足で、ますます痰が出にくくなるし

布団なしで寝ると体は冷えてしまうし・・・

これだと風邪をひきやすくなったりして、体のどこかに炎症がおきても「しょうがない。」のです。



こうきさんは、責任感が強くて人に迷惑を駆けてはいけない。

と、思い込んでいるのだと思います。

病後には仕事に穴をあけたっていいし、のんびりしていいんだけどね。
というのは、私のツブヤキです。

次回は、再入院になって「良かったね。」の理由をお話します。



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